日本バプテスト連盟ホームレス支援特別委員会の紹介
私たちは2001年から活動をしている日本バプテスト連盟の特別委員会です。特別委員会とは社会の様々な課題にフォーカスして聖書を土台にした学びと啓発を行うグループです。ホームレス支援特別委員会はいわゆる路上生活者の方々の支援に取り組んでいる全国の諸教会の支えになることを願って活動を続けてきました。官民あげての政策が実を結び、ホームレスの数は減っていますが、近年では子どもの貧困に特徴的なように、住む家はあっても生活そのものに困窮している人の数はむしろ増えています。ホームレス委員会では、路上生活者支援を軸にしつつも、生活に困窮しておられる方々の課題全般に目を向け、その方々を支援している教会や団体に向けて情報発信を続けていきたいと思います。
設立時の趣旨、目的
- ホームレスの生存権と人権を守ることを主眼に置き、ホームレスに対する偏見や差別についても、それらを解消するための情報発信、教育的プログラムを諸教会に提供していく。
- 様々な苦しみや束縛を負うホームレスが、神の言葉〔福音〕によって解放され、そこから人間性を回復し、社会生活を取り戻していくことを目的として、活動を進める。
- ホームレスを生み出す社会･経済･産業構造の研究、ホームレス問題の本質を追及していく。特に、共同体〔ホーム〕を失ったホームレスの現実から、共同体形成に対する神学的構築を進め、信仰共同体を目指す諸教会に提言をしていく。
- 委員会自体はホームレス支援を直接には行なわないが、既に教会の現場で行なわれている支援活動をサポートする。このために委員会は、相互情報交換の窓口となると共に、諸教会を訪ねるホームレスの対応について苦慮しておられる協会の相談窓口となる。
- 他のホームレス支援活動を行なう団体とも連携を深め、行政･政府に対する働きかけを行なう。
理念
- 「主の兄弟であるもっとも小さい者のひとり」としての困窮孤立者にかかわることを教会の福音宣教の課題とする (マタイ25:31～46)。
- すべての人が、神の口からひとりひとりに対して与えられるゆるしと愛の宣言のもとで兄弟姉妹であり、家族である。狭義のホームレス者も当然例外ではない。したがって、「ハウス」(家) に代表される「衣・食・住」という物質的な必要を満たすことと、「ホーム」に象徴される関係性、すなわち教会、家族、地域、学校、職場における関係、そしてそれらの土台である神との関係を回復することを教会の宣教の課題とする (マタイ4:4)。
- 2027年8月まで延長されたホームレス自立支援法や2015年に制定された生活困窮者自立支援法を生かし、国の責務として困窮孤立者に対する積極的な自立支援策を講じるよう働きかけていく（申命記15:11）。
- ホームレス自立支援の働きから切り離せなくなっている格差・雇用・高齢者の生活保障などを視野に入れた包括的な神学的把握を目ざす。
- 違憲の「安全保障法制」の施行を受け、貧困と戦争の関連をとらえ、「路上でも戦場でも死なせない」ことを理念として憲法改悪を許さない私たちの共同アクション等の働きに協力する (出エジプト20:13)。
２０２３年度メンバー（あいうえお順）
委員：
麦野達一（長：福岡西部教会）
対田澄子（相模中央教会）
高屋和子（飯塚教会）
谷本仰（南小倉教会）
協力委員：
石橋誠一（東八幡教会）
奥田知志（東八幡教会）
中嶋名津子（浦和教会）
最近の活動
2014年度 テーマ：「伴走する教会を目指して：貧困時代に問われるもの」
活動：シンポジウム（講師：稲月正、野口芳宏、生笑一座）
2015年度 テーマ：「貧困の連鎖を断つ～教会に何ができるか」
活動：シンポジウム（講師：高橋亜美）
2016年度 テーマ：「格差と分断の中で～教会に何ができるか」
活動：シンポジウム（講師：井手英策）
2017年度 テーマ：「共に生きる場の創造～教会は何をしているのか」
活動：シンポジウム（講師：上田紀行、奥田知志）
2018年度 テーマ：「見えない人々と共に生きる～教会はどこに立つのか」
活動：シンポジウム（講師：杉山春）
2020年度 テーマ：「コロナ禍における困窮孤立問題の中の教会
～今、教会に求められるもの」
活動：シンポジウム（講師：森松長生、奥田知志）
2021年度 テーマ：「最も小さくされている人々との関わり」
活動：シンポジウム（講師：晴佐久昌英、奥田知志）オンライン会議